ちょっちアスカちゃん、その5
アスカはシンジの作った美味しい夕食をお腹いっぱい食べ、後片付けをせずにお風呂に入ってポカポカになり今はリビングでノホホンとゲームに興じている。
カチャカチャカチャ
シンジは台所で夕食の後片付けと明日のお弁当の下ごしらえ、料理人シンジにお弁当と言えども抜かりは無い。
カチャカチャカチャ
アスカはゲームに熱中、ペンペンと対戦格闘ゲームをプレーしていたのだが、勝率1割とペンギンに負けっぱなし、人間であるアスカはプライドを傷つけられた。
「ムキ〜〜〜!!ペンペンのくせに!生意気よ!」
と敗者にありがちな文句をつけるがペンペンはそんな事はお構いなしに勝利の美酒?であるジュースをゴクゴクの飲む。
その姿がアスカを一層腹に立たせる。
「むう〜〜こうなったら、生身で勝負よ!」
ゲームでは勝てないと悟ると今度はペンペンに向かって戦闘体勢を取る。
「クワクワ!」
「勝負よ!」
身構えるアスカ、だがペンペンは『クワ〜!ッッ』とジュースを飲み干しテーブルに置くとゲームの電源を切り、アスカを背にし寝転がってTVを見出した。様は無視である。
「ふふん、このあたしを無視するとはペンペン後悔するわよ」
「クワアア〜」
ビシッ!と指を突きつけ宣戦布告、だがペンペンはアクビをするのである。
「・・・・っこのペンギンは!・・・・・隙あり!」
隙ありと言いつつ本当は背中から不意打ちと卑怯な攻撃を仕掛ける。
「クワ」
タッ!
ペンペンは一言発すると片羽で床を突く、そして勢いで宙に舞った。
「えっ?」
意標をつかれたアスカはペンペンの舞う姿をただ追うだけであう。
クルクルクル!
そして宙で体を回転させ、目標であるアスカに向かって標準を定める。
「クワッ!」
「くっ!」
スピードを付けた両足キック、だがアスカは間一髪でかわしペンペンの首にキックを蹴りこむ。
シュッ!
「もらった!」
スピード、タイミング、角度と完璧である。アスカは確信した誰もかわせないと、だが・・・・・
「クエ!」
パシ!
「なっ!・・・・・」
難無く止めた。それも片羽で、止められた事で一瞬戸惑うアスカ。その一瞬の隙を見逃さないペンペン、瞳が光る。
「クワワワ!!!」
ペンペンの体が一瞬消えその刹那、アスカの顔部分に現れ回し蹴りが頬を捉える。
バシッ〜〜〜!!!
「うぎゃああああ!!!」
断末魔をあげながら沈黙。ペンペンは仰向け大の字に倒れたアスカの足を掴むと、リビングの隅っこにズルズルと持っていき置いてまたTVを見出した。
「ふう〜やっと終わった」
そこへ片付けが終わったシンジがやって来た。当然気絶しているアスカに気づく。
「アスカ〜ダメだよ。こんなとこで寝たら風邪ひくよ」
気絶しているのだが。
「まったくしょうがないな〜ペンペン、アスカを運んでおいてくれない」
「クエ〜」
シンジは頼むとお風呂に入りにいった。ペンペンは面倒くさかったが色々と世話になっているので、重い腰を上げると足を掴み引きずりながら部屋に運ぶ。
ゴンゴンゴン!!
無論抱えて運んでいないので段差では頭がぶつかる。この音の大きさ、ペンペンのシナリオ通りかもしれない。
こうして一人と一匹の楽しいふれあい?はペンペンの圧勝で終わった。
アスカちゃんへっぽこ。ペンペンに負けるとは…気絶しても何とも思っていないシンジ君、いつもの風景なのでしょうか?
アスカちゃんのリベンジは?どうせ返り討ちにあうでしょうね(^^)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ちょっちアスカちゃん、その5